H-1Bビザの抽選に漏れてしまった場合の他のオプションを模索する

By: Michael Phulwani 弁護士 , David H. Nachman 弁護士, Esq. and Ludka Zimovcak 弁護士

昨年、移民局(USCIS)は2018年度のH-1Bビザの嘆願書を190,098受け取ったと発表しました。
H-1Bビザを申請すると最初に抽選があり、抽選で通った人のみが書類審査へ進めます。
米国で仕事ができるかどうか抽選の結果がでていない期間は、抽選から漏れた場合のことを考えておく時間でもあります。
ここでは抽選で漏れた場合、他にどのような方法があるかいくつかご提案します。

CAP免除のH1-Bビザ出願
CAPとはビザの年間発給枠のことで、昨年H1-Bビザは65,000の発給枠がありました。
実はこのCAPが免除されるケースがあります。それは非営利団体の大学機関、非営利団体の大学機関と連携プログラムがある機関、政府や民間の非営利・政府の研究機関で働く場合です。
例として、大学のソフトウェアを開発・カスタマイズするため、 IT コンサルタントを採用し配置するために米国の大学と契約を締結している情報技術 (IT) 企業の事例を説明します。コンサルティング会社によって採用された IT コンサルタントは、大学のソフトウェアの開発・カスタマイズに取り組むことを前提としており、その仕事は、目標を到達することで大学に利益をもたらします。この従業員は大学で直接雇用されない場合でも、CAP免除の従業員として扱われるのです。

貿易業者のE-1ビザ、投資家のE-2ビザ
米国と日本(または他の条約締結国)間の取引を主とする事業に携わる人には、E-1ビザの申請権利があります。また、米国へビジネス投資をした場合に発行されるE-2ビザもあります。これらは、条約を結んでいる国の国民にのみ発給されますが、日本はE-1とE-2の両方に関して条約を締結しています。
E-1ビザの場合、米国に入国する外国人は主として米国と外国の間で国際的な実質的な貿易に従事することが義務付けられています。また、E-2 ビザは米国内で会社を設立し移民法で定めるに足りる投資をすることが条件になります。必要な投資額は企業内容、総投資額、初期投資額等によって決められます。

OPT中の学生が考えられるオプション
OPTとは、Optional Practical Trainingの略で、学生ビザ(F-1ビザ)で就学している学生が専攻した分野と関連のある職種で、企業研修を行うことができる資格です。通常H-1BビザCAPによる抽選で漏れた場合、その時点でOPTも失効します。しかし、科学、技術、工学の数学分野(STEM)のF-1ビザの学生は、STEM OPT Extensionが適用され、OPT期間を24か月間に延長することができます。延長の為に、E-Verifyに登録されている雇用主が学生を雇用し、また学生の最も最近に取得した学位の専攻分野で働く必要があります。OPT延長することで来年度のH-1Bビザを申請することもできます。
STEMの学位を持っていない学生は、学校に再度入学するオプションもあります。例えば米国大学から学士号を取得した学生は、別の学士課程また修士課程に入学するという選択肢も考えられます。ただし、修士号プログラムに登録する選択は慎重に選ぶ必要があります。入学する前にその米国大学が1965年高等教育法第101条 (a) によって定義された「高等教育機関」として適格であることを確認してください。

多国籍企業の外国人従業員のためのL-1ビザ
L-1ビザは、勤めている日本の会社が米国の関連会社に社員を派遣するために使用されるビザです。
L1-Aビザは、組織の管理、または組織の主要な機能を指揮する経営幹部であり、同様に組織、または組織の領域、「他者の作業の監督または管理」、または組織の階層におけるシニアレベルでの「本質的な機能」の管理をする人です。L-1B ビザは、会社の専門知識を持っている必要があり、例えば製品と国際市場での出願方法や、会社のプロセスと手順の知識など高度なレベルを持っていることが条件です。

特別な能力の人のためのO-1ビザ
O-1ビザには2つのタイプがあります。
O-1Aビザは、科学、芸術、教育、ビジネスまたは陸上競技の分野で「並外れた能力」を有する人のためのビザです。映画やテレビ番組の制作に関わっている人は「並外れた功績」の実証済みの記録を持っていることでO-1Bビザが取れる可能性があります。O-1ビザは、上記のカテゴリーに限定されないことを知っておくことが重要です。移民局の記す「あらゆる分野の努力」というカテゴリーは職人や講師を含みます。「arts」という用語には、主なクリエイターやパフォーマーだけでなく、ディレクター、セットデザイナー、振付家、オーケストレーター、コーチ、アレンジャー、衣装デザイナー、メイクアップアーティスト、舞台技術者、動物トレーナーなどの重要な人材も含まれています。

上記の通り、自身の状況によって、別のビザでカバーする方法があります。その場合は慎重に米国での仕事ビザのオプションを探索することが必要です。CAPが免除されるケースもありますし、米国にある関連会社に派遣という形で行く場合、L-1ビザの可能性も探ることができます。科学、芸術、教育、ビジネス、陸上競技の分野で「並外れた能力」を持つ人はO-1Aビザの資格を持てますし、O-1Bビザは映画やテレビで「特別な功績」を持つ人にとって適切なビザです。学生は条件によってOPT延長ができる場合があり、もしくは修士課程取得のため、米国大学へ入学することを選択した学生も実際おります。

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